ムクツナ
□深すぎる愛故に ※
1ページ/9ページ
あぁ、イライラする。
段ボールが所々に詰まれるアジトの廊下を早足で歩いて、ボンゴレ10代目である沢田綱吉は自分の執務室に向かっていた。
「10代目、あのこれ緊急の書類です」
「あぁ、ありがと。獄寺君」
ぶっきらぼうに書類を受け取り、綱吉は溜め息をついた。今日中にやらないといけないというのにそれなりに量があった。
「今夜は確かパーティーだよね」
「はい、ボンゴレ結成記念の」
「…………、わかった。六時までに終わらせるからそれまで一人にして」
「はい」
隼人を何とかまいて一人で部屋に入る。ばさっと書類を投げて、綱吉は椅子に座り込んだ。
最近睡眠が足りてないせいか、眠くなる。けれど、やらなければならない。
「あぁ、もう……。こんな時に」
お前のせいで余計なことを考える。
いらいら、いらいらと募るものに舌打ちしながら綱吉は書類を読み始めた。
考えてるのは、あの男のこと。