ムクツナ

□指輪と関係
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カラン――


真っ暗な空間に乾いた音が響く。


カラン―――


その音を出しているのは、黒髪を後ろで縛る長髪の男。指にもつ指輪を冷めた視線で見ながら、もう一度弾いた。


カラン―――


「………霧のリング」


ぽつりと呟いたそれは自分が持つ指輪の正体。
彼、六道骸はボンゴレの霧の守護者。それを証明するのは、彼が持つリングだ。彼にとっては忌々しい物でしかない。
マフィアと関係付けるモノ。


「骸…」

「おや、ボンゴレ。何用ですか?」


足音なく入って来た人物に驚きもせず、骸は振り返る。あの時とは変わり、落ち着きを持ったボンゴレ10代目である沢田綱吉を見た。
ゆっくりと彼は近付いて、骸の前に立つ。揺れる瞳は彼が何か不安を抱えている証拠。
昔から、隠し事が下手だ。


「ボンゴレリングを回収しに来た」

「ほう、何をするつもりです?」

「―――破壊する」


予想外の言葉に目を見開く。最後の一言だけは、強い意志を感じた。
常に弱々しく、自信がないこの青年は、しかしボスとして、誰かを守る者として、強い決意を時にする。


「クハ、それは思い切りましたね。別にいいですよ」


遊んでいた指輪を綱吉へと手渡した。





 
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