ムクツナ
□俺とデートしよう!
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いつから、こんなに積極的になったんだろうか。
「お前等よくこんな暗い所に住めるよな」
廃墟になったはずの黒曜ランドに一人で訪れたのは、そこにいる彼等の敵とも言えるボンゴレのボス候補、沢田綱吉。
もちろん、その場にいる者は一斉に睨み付ける。ただ、一人真ん中のソファに腰掛ける人物はにっこりと紳士的な笑みを浮かべて立ち上がった。
「これは、ボンゴレ。何しにここへ? 契約でもしに?」
刺のある声と台詞にだが、綱吉は怯むことなく、六道骸に近寄った。
「違う。お前をデートに誘おうと思って」
「は?」
思いがけない言葉に流石に彼も笑顔を消した。彼と綱吉はもちろん恋人同士ではない。先程も言ったように敵対しているはずの相手だ。
「何を――」
「はい、これチケット。明日の10時に並盛遊園地の前に待ち合わせだからな」
有無を言わせず紙切れを骸に押しつけて綱吉はさっさと去って行った。
一体どういうつもりなのだろうか。全くわからなかった。
「どーするんれすか? 骸しゃん」
「一体何考えてるんですかね」
「まぁ、どっちにしろ行くわけないでしょう? こんなふざけたこと…」
興味がなさそうに彼はそれを無造作にポケットにしまい、溜め息をついた。