ムクツナ
□どっち!?
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「ふぅ」
あの激戦が終わって、俺達はやっと一息ついている。さわさわと頬を撫でる風が気持ちいい。
「何か夢みたいだなぁ」
毎夜行われたあの戦いが。
ただの指輪をかけて命を賭けたあの戦いが。
全部…。夢のようだ。
「夢じゃねぇぞ」
「だぁ! わかってるよ!」
後ろからかかさずリボーンに突っ込まれて、緩んだこの空気が台無しだ。
大体夢だったら逆に虚しい。あの苦労は一体何だったんだって話だ。
皆だって、あんなに怪我したのに。
「…………そういえば、あいつ大丈夫かな?」
「ん? どいつのことだ?」
「あいつだよ、六道骸! あの後どうなったんだろう」
まぁ、こっちにいた時も実体はあの場所にずっとあったんだろうけど。
何か、あいつ…危なっかしいんだよな。
「確かに今回は力を使い過ぎたみてーだな。当分こっちにこれねーだろ」
「そっか。何か悪いことしたな」
マフィアのために何かするなんて、本当はしたくないだろうに。
本当なら、………また俺を狙いたいんだろうに。
「何言ってんだ。忘れるなよツナ。あいつがしたこと―――」
「わかってるよ。でも、あいつ多分変わった! いや、元々悪い奴じゃないんだ!」
じゃなきゃ、犬と千種の為にマフィアの守護者なんてならない。例え、それがクロームを通してであっても。