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□2009.12 ヒバツナ
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あれから二回目のテストが来た。僕はそれでもいつでも変わらず、書類に目を通していく。
しばらくすると微かに聞こえる足音にペンの動きを止めた。


「ひ、雲雀さぁん!」


相当慌ててたみたいで、綱吉はノックも忘れて部屋に入ってきた。
途中絨毯に足を引っ掛けながら僕に紙を見せつけて来た。


「見て下さい! ま、ま、満点! 雲雀さんのお陰で満点とりました!」

「ワォ、すごいじゃない」


これは驚きだ。彼がそんな所に辿り着くにはあと三年はかかると思っていたのに。
やっぱりやれば出来る子じゃない。


「ありがとうございます! 本当俺嬉しいです」

「よかったね。じゃぁ、今日は君が好きなご褒美あげるよ。何がいい?」

「え?」


いきなりきょとんとした顔で綱吉は首を傾げる。そして何故だか顔を赤くして、口ごもった。


「綱吉?」

「い、い、いえ、別にご褒美は…」

「つーなよし」


彼との距離を詰めて、彼の顔を見る。すると真っ赤になった頬と少し潤んだ瞳を僕を見た。


「綱吉?」

「じゃぁ、ですね。明日休みですし………、今日から……雲雀さんちで、甘やかして下さい」


あぁ、こういった時、君を翻弄している気なのに…いつからか君が僕を翻弄してるんじゃって思う。
互いに互いの存在が媚薬で、互いに互いの存在が機動力なんだ。


「うん、じゃぁ、いっぱい可愛がってあげるよ」

「はい」










まぁ、後悔するのは、君自身。










「ぁ、も、無理です、ぁん」

「まだだよ、綱吉」

「ぁ! やぁ、ひば……、早くイってください」

「ちょ、……っ、」


全く、君は油断ならない。
いーよ、もっと何も出来ないように僕に溺らせてあげる。





終わり
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