ムクツナ
□深すぎる愛故に ※
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あぁ、すっかり板について。
憎いはずのマフィアに、彼はなった。そして骸自身も。
それは今となってはよかったと言えるのか未だにわからない。だけど、彼がボスになるのなら、いずれはこうなっていた。
それほど、彼が好きなのだから。
「少し行って来ます」
クロームをその場に残して骸は綱吉に近付いた。彼は9代目やザンザスに挨拶(一部はそうとは呼べない)をし、今アルコバレーノのリボーンといる。
近付けば、やっと気付いた。
「骸…」
「ツナ、後は好きにしていいぞ」
「あ、ちょ…リボーン!」
ひらりと小さな身体を追いかけようとした綱吉の手を掴む。そして、やっと骸を見た。
「な、んか…怒ってる?」
「おや、それは君じゃないのですか?」
的確な言葉に肩を震わせた。瞬時に視線を逸らして、押し黙る。何も言わない、語らないその態度に骸もイラつきを覚えた。
「骸様…、ここじゃ目立つ」
いつの間にか近寄っていたクロームに二人は振り向いた。黒く、身体のラインを主張する作りのドレス。それは誰よりも艶めいていて、思わず目が魅かれる。