ムクツナ
□俺とデートしよう!
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「………本気ですか?」
「お前相手に冗談言ってどうすんだよ」
確かに、と頷く。
しかし、やはり信じられなかった。綱吉が骸を好きになる要素が見当たらない。
仲間を傷つけて、彼自身を契約して使おうと考えていたのに。
「やはり、信じられま―――」
「あぁ、もう! 面倒臭いな! いいから、デートしろよ! わかってもらうために誘ったんだからさ!」
半ば泣きながらキレた。綱吉は朝からずっとこの場で待っていた。その時間は裕に12時間以上だ。キレたくもなる。
「………僕は行くなんて一言も言ってない」
「―――っ、わかってる。よ」
正直、ここに来るとも思っていなかった。来ただけでもいい方なのだ。
だけど、本当にこうも上手くいかないとなると、辛いものがあった。
「………明日、日曜日ですよね。同じ時間に来て下さい」
「へ?」
「君がどれほど本気か、見定めてあげますよ」
思いがけない言葉にぱっと綱吉は顔を明るくした。まるで子供のように笑って立ち上がる。
「本当? わかった、絶対だからな!」
無警戒で笑う彼に骸は少し眉を寄せる。
何故、こうも簡単に人を信じられるのだろうか、彼には理解できなかった。