ヒバツナ

□願い事
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何度か彼と闘った。
だけど、それは10年後の彼。
このハイパーモードで今の彼と闘うのは初めてだ。


「行くぞ、雲雀」

「いつでも来なよ」


綱吉はグローブをハメた手で構えると一気に地を蹴る。彼もトンファーを構えてそれを待ち受けた。
砂埃しか見えないこの闘いはやはり普通の生徒には理解できなかった。必死でその様子を見つめているのは守護者達。


「ワォ、やっぱり早いね、君」

「―――っ」


どんなに素早い攻撃を仕掛けても彼は余裕に微笑む。流石並盛最強の人物。侮れない。
炎の純度を上げて突っ込んだ。










片付けが終わったグランドを見つめて、綱吉はボロボロの姿のまま溜め息をついた。
もう誰もいない。陽は沈みかけて赤い光を放っている。
その光を遮るように立ったのは、同じくボロボロの学ランを着た恭弥だった。


「………えっと」

「一応今日のは引き分けにしといてあげる」


その言葉にがっくりとした。確かに何度か攻撃はしたが、致命的なものには至らず、挙句には自分も同じ数だけ攻撃を受けて、収拾がつかなくなったため中断したのだ。そのため、どちらが勝ったとは言えない。


じゃぁ、願いも―――


「だから、互いに互いのお願い聞くってことでどうかな?」

「え!」





 
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