ヒバツナ

□願い事
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他の学年の種目を見ながら、綱吉は一位を取ったことを考えていた。あの後うるさいくらい母の奈々やハルに褒められた。
それもそうだろう。今までに本当に経験がないのだから。


でも、考えてみれば俺、リング戦に10年後の奮闘…。短い期間に一気に強い奴等と闘ったんだもんな。


やっとハイパーでもない自分にも成果が表れた。思わず頬が緩んでしまう。
けれど、そろそろを引き締めなければいけない。対決の時は近付いている。


「そういえば、何の競技をやるのか言われてないな」


聞けばすぐにわかるよ。


そう言っていた気がするが。と考えを巡らせた瞬間、流れている音楽が止んだ。


「?」

『これから僕と沢田綱吉の一対一の勝負をするよ。邪魔する奴は……咬み殺すからね』


な!

にぃぃぃいい!


予想外な出来事に綱吉は開いた口が塞がらなかった。これではただの試合であって、体育祭とは関係ない。いや、確かに相手にしているのは雲雀恭弥。普通を求めたのが愚かだったのか。
頭を押さえながら綱吉はそれでも立ち上がった。ちくちくとささる視線を気にしない(ように努めて)で、前に歩み出る。


「やっと君と闘える」

「………約束、忘れないでくださいね」


恭弥はトンファーを構え、綱吉は死ぬ気丸を口に含んだ。





 
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