ヒバツナ

□願い事
4ページ/9ページ




死ぬ気で勝つ!


パァンとスタートの合図と共に綱吉は走り出した。リング戦から始まった怒濤の修行はかなり効果的だったようで、ビリは逃れている。
ネットをくぐり、平均台の上を走り、ハードルを飛び越えて…。
一つ一つ待ち受けている障害物をいち早く把握して必死に走る。
途中辺りが騒ぎ始めたが、綱吉は気付かなかった。そして、最後に垂れている白いテープに身を突っ込んだ。


ん…? テープ?


息を切らしたまま振り返ればテープはひらりと地面に落ちる。そして次々にゴールする他の選手達。茫然としていれば、自分のクラスが驚きで硬直していた。


「え、俺…一位?」


信じられなかった。っというか、ありえないと思った。けれど、これは事実なのだ。


「やりましたね、10代目!」

「すげーじゃん、ツナ!」


喜ぶ二人を見てやっと実感が湧いた。本当に今までの修行は無駄ではなかったのだと、初めて心からリボーンに感謝した。





「ほらね、やればできるじゃない」

「は?」

「何でもないよ。次は何?」


嬉しそうに競技を見る恭弥に草壁はスケジュールを見ながらも微笑を漏らした。
彼が純粋に楽しむ姿はあまり見れない。あの、綱吉と関わりを持ってからは、彼等が相当な力を持っているからか、こういった珍しい光景が拝めるのだ。
感謝しなければな。と、草壁は思った。





 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ