ムクツナ

□どっち!?
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「クローム?」





「く、クフフ」


異様な笑い方。低い声音。
あれ、うそ。


「まさかそんなことを聞けるとは思いませんでしたよ」


ご本人登場ぅぅ!!


姿までは変わらないが口元の笑みや表情、そしてこの声と笑い方と喋り方。
間違いない、骸だ。奴しかいない。







「あ、いや、その……」

「甘い甘いとは思ってはおりましたが、まさか敵に恋をするとはそうとう愚かなボスですね」

「う、うるさいな! しょーがないだろ、好きになったもんは」


あー、何肯定してんだ俺。
もう自分の行動に後悔しかしてなくて、俺は視線を落とした。
大体、こいつは俺のこと道具しか思ってない。復讐するために必要なマフィアのボス候補。
あー、本当俺、馬鹿だ。


「でも、僕は嬉しいですよ」

「へ?」

「だってそうでしょう? これで君の心が手に入る」


何とも言えない動作で俺の頬に触れた。瞬間、背筋に悪寒が走る。
やばい…気がする。


「骸……」

「沢田綱吉。可愛がってあげますから、僕に君の心を下さいますか?」


待って。
ちょっと。



これはどっち?!





end
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