ムクツナ
□どっち!?
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「クローム?」
「く、クフフ」
異様な笑い方。低い声音。
あれ、うそ。
「まさかそんなことを聞けるとは思いませんでしたよ」
ご本人登場ぅぅ!!
姿までは変わらないが口元の笑みや表情、そしてこの声と笑い方と喋り方。
間違いない、骸だ。奴しかいない。
![](http://id45.fm-p.jp/data/262/Othree/pri/40.jpg)
「あ、いや、その……」
「甘い甘いとは思ってはおりましたが、まさか敵に恋をするとはそうとう愚かなボスですね」
「う、うるさいな! しょーがないだろ、好きになったもんは」
あー、何肯定してんだ俺。
もう自分の行動に後悔しかしてなくて、俺は視線を落とした。
大体、こいつは俺のこと道具しか思ってない。復讐するために必要なマフィアのボス候補。
あー、本当俺、馬鹿だ。
「でも、僕は嬉しいですよ」
「へ?」
「だってそうでしょう? これで君の心が手に入る」
何とも言えない動作で俺の頬に触れた。瞬間、背筋に悪寒が走る。
やばい…気がする。
「骸……」
「沢田綱吉。可愛がってあげますから、僕に君の心を下さいますか?」
待って。
ちょっと。
これはどっち?!
end