ムクツナ

□どっち!?
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やっぱり辛いのかな。


「ボス………骸様のこと、心配?」

「そりゃぁ、心配に決まってるだろ」

「どうして? 骸様は、貴方達に…この前と同じことしたんでしょう?」


どき、とした。まさかクロームにそのことを問われるとは思わなかったから。
純粋な瞳に見つめらると弱い。嘘がつけなくなる。


「それは…確かに、許せないけど。だけど、あいつだって、好きでマフィアを憎んでる訳じゃないし」


先に何かをされた。
だから、恨んだ。憎んだんだ。
復讐なんてよくないことは俺もわかってるし、復讐をする気持ちもわからない。
だけど、だからって、あいつだけを責めるのはおかしいんだ。


「ボスは………骸様のこと、どうしてそんなにかばうの?」

「俺が…あいつのこと何か言われるの嫌だから」

「どうして?」

「俺が、骸のこと好きだからかな」


…………………。

…………ん?



てぇえぇ!!
いや、何ポロリと言っちゃってんの俺! しかもクローム! 繋がり強い上にあいつの大切な奴だし!
うわ、ほら! クローム固まってるし!
ぎゃぁぁぁああ!!


「好き? よかった」

「へ………?」


俯いたまま呟かれたそれは聞き間違いだろうか。
彼女が俺の気持ちを聞いてどうして喜ぶのか理解できない。



 
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