short story


□「シャーマンキング様」
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「何故貴様はまたここにいる」

イラついたような蓮の声。

「貴様じゃない、シャーマンキング様」

最近の楽しみはこの社長室の柔らかいソファの上で、ブロッケンの淹れたコーヒーをすすること。
お茶出しなんて副社長のすることではないけれど、僕の好みのコーヒーを淹れられる人物は数少ない。

「ハオ様、ここに置いておきますよ」

さらりと当り前のように言ってのけるブロッケン。
この時代では一番付き合いの長いブロッケンですら言うことを聞かない。

だから僕は聞かないふりをしてやる。
シャーマンキング様って呼ばれるまで無視を決め込む。

ふくれっ面をしてそっぽを向く僕の横顔を見て、ブロッケンはため息を吐いた。

「子供っぽいことやめてくださいハオ様」

「ハオ様じゃないだろう!?」

このやり取りも、初めてのような気もするし、一年中やってるような気もする。
この存在になってから、どうも時間感覚が疎くて困る。

ブロッケンの僕を見る目は一気に親の目になり、

「今もハオ様の幼少期のお話は、ビルやザンチンとの酒の肴ですよ」

と言いたげに笑う。

ふざけたものだ。


「ブロッケン、何をしている。早くそいつを追い出せ」

「まぁまぁ、曲がりなりにも神様ですし。縁起の良い座敷わらし程度にでも思っていれば」

「誰が座敷わらしだ!!」


シャーマンキングになってから、あまりいいことがあった気がしない。
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