It's a Wonderful World 【第一部】
□7日目-4 ボスノイズ
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ジャリッとコンクリートの上の石が踏まれる。
少年が4人、真っ暗な首都高のガード下にいた。
さっきまで軽口を叩き合っていたけれど、今は少年達の顔に笑顔はない。
首都高の車の音に混じって、フゥー…と聞こえるのは対する相手。
友を喰らったあのサメノイズよりもふたまわり程大きく、その形はまるでゾウのようだった。
しかしゾウと言うにはマンモスに近く、マンモスと言うよりは…紫色のステゴザウルス。
フゥー…フゥー…という鼻息は荒く、ノイズの周りのホコリが舞う程だった。
少年達に深い傷を負わせたサメノイズより遥かに大きなノイズ。
しかし誰一人として目を背けるものはいなかった。
不思議と怖くない。
仲間がいる。
信頼できる仲間が、それぞれに3人。
この後何年旅をすることになっても揺るがぬ目標を持つ者達。
最初に口を開いたのは、ヘッドホンの無くなった髪をひとつに結い上げた少年。
跳ねる毛先を揺らしながら、少年が笑った。
「やっぱ、全然怖くねえな」
その笑顔につられたように、他の少年達も笑った。
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