It's a Wonderful World 【第一部】


□7日目 最後のお願い
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** ハオ **


目を開けば、光と共に渋谷の雑踏が目に入った。
たくさんの足と靴がコンクリートを叩く音が耳に響く。

しかし、前にここにいた時に感じたノイズは、今はひとつも聴こえなかった。

これも、葉のお陰なのかな。
と思うと少し口角が上がるのを感じる。

コンクリートに寝そべっていたからか身体が少しだけ痛みを訴え、起き上がるのが億劫になる。
幸いにも誰にも僕の姿は見えていないし、誰も僕にぶつかることはない。

ゴロリと上を見上げれば、高いビルに切り取られたような青空。
渋谷の大スクリーンが目尻に映る。

やっぱり、ここはスクランブル交差点か。

目に刺さる太陽の光が眩しくて目を細めた。
手で影を作ろうと手を動かした瞬間、僕の視線が遮られる。

「まだ寝てるんか〜?」

葉の笑顔。
昨日となんら変わらない。

そして、また僕を覗きこむ影がもうひとつ現れた。

「起きてんじゃねえか!早く起きろよ〜」
軽く僕の身体がつま先で蹴られる。

ホロホロだ。

はぁ、とため息をつき、僕は身体を起こした。


今日が七日目。
1回目のゲーム、最終日だ。
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