middle story
□リーブズ 【5】
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** ハオ **
騒がしい音で目が覚めた。
一度開いた目に溢れんばかりの光が入ってきて、思わず目を閉じる。
いつもの部屋に、いつもの布団。
どうやらこの音は花組が廊下の掃除をしている音らしい。
窓から差し込む光は強く暖かい。
どうやら早朝ではない事は確かなようだ。
身体を起こすと、パサリと額から湿ったタオルが落ちた。
布団の下の自分の格好は、昨晩仕事から帰ってきたそのままの服だった。
その意味を考えていると、勢いよく部屋の扉が開いた。
「父ちゃん起きた!!」
まだ着替えていないのか、寝間着姿の花。
こんな時間でもまだ着替えていない様子を見ると、どうやら今日は休日らしい。
そうか、今日が休日だと、葉が帰ってくるのは…。
明日か。
「父ちゃんおかえり!風邪大丈夫か!?お土産ないのか!?」
風邪を心配してくれているのだろうけれど、お土産欲しさな感じが否めない。
すると、パタパタと音がしてたまおがやって来た。
「花ちゃん!起きたなら早く着替えなさい!」
「うぇ〜…。父ちゃんお土産後でな〜」
渋々といった感じで、花がトボトボ部屋を出て行った。