It's a Wonderful World 【第一部】
□6日目-5 KIDS
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** ハオ **
気に病むなと言う意味で、葉にそう言った。
しかし何故か葉の顔がムッとむくれた。
気に障るようなことを言った覚えはないけどなぁ。
と思っていると、葉が僕に少し声を荒げる。
「もう少し自分を大事にするんよ」
ムッとした顔で僕を睨む。
そんな葉に涼しい顔で言ってやった。
「大事にしようとしまいと僕の勝手だろう」
「…ハオはオイラを半身だって言ったよな?」
懐かしい台詞。
つい最近までそう思っていたのに、今ではあまり思わない。
僕の中では『にいちゃん』と呼ばれたあの時から、葉は半身ではなく弟という一個人だった。
「そういう時もあったね」
苦笑交じりに答える。
が、次に葉の言った言葉に耳を疑った。
「じゃあハオだってオイラの半身だ。ぞんざいに扱うな!」
まさかの言葉に気圧される。
「え…あ、ああ…」
思えば確かにそうとも言えて、ふいを突かれたのもあり、僕はそれだけしか返せなかった。
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