It's a Wonderful World 【第一部】


□6日目-2 モルコ
2ページ/6ページ


** 葉 **


そうして何十分か。

「ハオ〜、もう疲れたんよ〜」

渋谷の人は嫌になるほど多い。
しかもマイクが盗まれたのは昨日のことだ。
関係者だっていない。
盗んだ奴がいるのなら、そいつももうここにはいないだろう。

ハオの方を向いてみれば、どこからやって来たのか数匹の猫と戯れていた。

「な、何しとるんよハオ!」
「え?寄って来たから…」
「せっかくオイラが頑張っとるんに〜!」

顎を撫でられる猫はご満悦のようだ。

「…って、え?猫はオイラ達が見えるんか?」
「つまり今の僕等は霊みたいなものだからね。猫はそういう生き物だってよく言うだろう?」
「ああ、なるほど…。でも好かれすぎじゃねえか?」
「元々動物には好かれるタイプなんだ。特に猫にはね」

猫の顎を撫でるハオも、どこかご満悦の表情。
マタムネの頃からハオは猫好きだったんかな…。

そうじゃなくて。

「ミッション!どうするんよ!15時になっちまうぞ!?」

オイラは声を荒げた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ