骸雲小説
□蝉しぐれ
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「雲雀君、ちょっと来てください」
骸が本を読んでいた僕を窓際で手招きをしている。
早く、と急かすから仕方なく重い腰を上げると骸は微笑んで空を指差した。
その指の先には青く広がる空。
そして、雨上がりの匂い。
それから、藍色の髪を風に揺らす、骸。
その隣で泣きそうな顔の僕。
僕と骸の愛しい夏の、記憶。
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