影歩き

□ひとの狭間
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「珠魅が一人やられた…!」

ボイド警部が唸り、ぎりぎりと歯ぎしりをした。




なんとも言えない気分で、ダナエは視線を逸らす。
ここ、ガトの聖域で起こった事件。被害者のルーベンスは珠魅であることを隠しながら、ダナエが僧兵として仕える寺院で、希望の炎の技師をしていた。少なからず面識があったということだ。
正直戸惑いが大きく、すぐに明確な感情が表せることが出来ない。
ふと、斜め前に立つ存在に意識を向ける。


「氷華さ、」




その時、全てが、止まった。


  
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