鏡映し
□筆談告白
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カリカリと鉛筆の音だけが響く。テスト前、皆ピリピリしてるんだ。
そんな俺も呑気にそれを眺めている場合じゃない。でも一番後ろの席だから、必然的に視界に入るんだ。
「瑠璃」
トントン、とシャーペンで机を叩いて、隣の席の彼を呼ぶ。周りと同じくプリントに取り掛かっていた彼は、視線だけを此方に寄越した。
「暇」
「馬鹿か」
唇だけで言うと、同じ様に唇だけで返される。
「プリントやれ。プリント」
「終わった」
真っ白のプリントを隠そうともせず、俺はそう言う。
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