逃水の宴
□お気楽のーてんき
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「いやぁ、僕もどこ行こうか考えながら歩いてたからさぁ」
つまり考え事をしていたと。
どこかの真珠の姫君を彷彿とさせる言葉。
ああラピスの騎士はこんな思いをしていたのか、と一欠は瑠璃に少しばかり同情した。
「一欠も言ってくれたら良かったのに」
「………」
半分寝ていた、とは何となく言えず、一欠は閉口する。
「ま、迷っちゃったもんは仕方ないよね」
存外冷静に風璃は言って、ぱんと手を打つ。
「……何だ」
何となく嫌な予感。一欠の勘は良くも悪くも外れたことは無い。それが更に嫌だ。
「ここでピクニックに、しよっか!」
にっこり、天使…いや馬鹿の微笑み。
一欠はやはり、何も言えなかった…。