鏡映し

□ゼッタイ条件
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何て酷い仕打ちだろうと。嘆くのは此方だろうに。
それ以上に酷い事を己は犯す。




漂うのは、苦い空気。
荒い息、無言の結界、甘いにおい。

全ては吹っ飛んだ理性の所為。

「―――」
「…泣かないのか」
「泣かない」

散らばった服を掻き集め、彼は震える声で云った。

「泣いてやるもんか」




だって俺は君を愛してなんかいないんだから。







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