創作珠魅話
□雪、溶けず
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万年雪の下にある筈の地面は、太陽を知らない。決して溶けることのない雪が、其れを隠してしまっているから。
青く澄んだいろの花は、雪の中に咲いている。ひやりとした外気に晒され、今にも割れてしまいそうに張り詰めていて、其れが一層神秘的な空間を彩っている。
此処に住まう雪女は、白雪が知る限り一人(果たして雪女を一人二人と数えるべきものかはわからないが)。
彼女の蒼い固い髪は、光の加減で紫にも見える。それは、彼の瞳と同じ、菫色。そして彼の髪は雪原と同じ、けれどそれ以上に陽光に照り映える白銀。
寒空の様な声で、雪女は言(こと)を紡ぐ。けれど其の言葉に眠るのは、慈しむの想い(ココロ)。
【永遠に続く物語の続きを語りましょうか。それはほんの一部でしかないけれど。】