逃水の宴

□子守唄
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「自覚、してよね」
「…頑張るよ」


ちゃんと理解したのかしていないのか、センカは困ったように眉を下げて笑った。
そんな彼に、風璃は納得のいかない表情のまま、真っ赤なパンに齧り付いた。


「君だって無自覚の癖にね」
「…む、ん??」


相手が喋れないのを良いことに、センカは意地悪に口を歪めて言ってやった。


「自覚、しなよね」


嗚呼、なんて依存した兄妹。



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