鏡映し
□DEAR.
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鼻先に突きつけられた銀色の光を、真珠姫は静かに眺めて居た。存外頭は冷めていて、けれどどうしてかそこから動くことはしなかった。
「………大人しく殺されるつもり?」
抑揚のない声でセンカは問うた。
それは恐怖か無関心か。真珠姫は尚、微動だにせず。
「そうよ」
静かに、真珠姫は言った。
「だって、わたしが死んだら瑠璃くんはかなしんでくれる」
わたしを想って。
その涙が枯れるまで。つまるところその命が尽きるまで。
「じゃあ、」
死んで。
言葉の代わりに聞こえたのは、風の鳴く音。
「!」