鏡映し

□傘さして雨合羽着て水溜まりの世界
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無くすことを誰より知っていて、なくすことを誰より恐れている。
それなのに、そんな素振りは全然見せなくて。
己の弱みを誰にも見せる事無く。
そんなことが赦されると思ってるの?
わたしだって全然無知なんじゃないよ。


少なくとも、誰よりあなたのことを知ってるつもり。けれど其れは過信でしかなく。


愛されることを誰より知らないあなたが愛することを知った。
ひたすらに不器用な恋。



わたしは知ってる。あなたが己と他人との間にどれだけの境界線を引いているか。
そしてそれを消してゆくのがわたしでは無いことも。
どれだけ欲しても、私はそれ以上は踏み込めないことも。



「あなたは、誰?」
初めて「わたし」を呼んでくれたあなたに。
「きみは、真珠姫」




「俺が君を、守るよ」
有効期限は、いつまで?




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