影歩き
□雪、のち晴れ
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子竜が、泣いていた。
雪原の中、ひとり、泣いていた。
座り込んだ傍には、横たわる青の巨体。一目で、子竜とは親子だと分かる。
もう息が無いのは誰の目にも明らか。
腹を深く刺され、大量の血を流し、事切れている。恐らくは人間の仕業。
それでも子竜はその骸に縋って、いつまでも泣いていた。
いつかは子竜も死ぬだろう。
力尽きてか、他の魔物の格好の餌となって。
それでも、降りしきる雪の中、子竜は泣いていた。
甲高い声で、喉が涸れるほど。
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