夢巡り
□晴れた日。
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カーテンを開けて、大分遅い朝の挨拶から始めよう。
「おはよう」
「…お早う」
「あれ?一人?」
「遊びに行ったから」
「あー、そっか」
それが済んだら朝食か。朝は食べなくても良いし、時間ももう少ししたら昼食になってしまう。
「ね、どっか行かない?」
「どこへ?」
「んー…」
牛乳を注いで、放りだしてあった新聞を手にとって。
「行きたいトコとかない?」
「…特には」
やたら分厚い本を読んでいるから、まさか魔導書ではないだろうかと。居候(それを言ったら自分もか?)の森人じゃあるまいし。
「それ、面白い?」
「……多分」
快晴。お出かけ日和。
だが残念ながら今ここには自分以外、アウトドア派の者は居ないよう。
「出かけようよ」
「どこに?」
「どこでも良いよ。そこらの公園でも良い。野原でも良い」
ようやく上げた顔に浮かんでいたのが珍しくも笑顔だったから。
「いってきます。」
そろって誰かに挨拶した。
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