夢巡り

□次は何処へ行こう?
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「生きてるのって、たのしい?」

そんなことを訊くからには、あなたは詰まらないの?
そう訊いたら「不思議な生き物」は、少し首(と思われる箇所)を傾げて答えた。

「よくわかんないけど、笑ったり、泣いたり、怒った
りするのは、たのしいと思う」

ゆっくりゆっくり、「不思議な生き物」は言葉を紡いだ。
彼は何かを含んだような笑みを浮かべる。
本来ならば彼は友人と大道芸をしているのだけど、今日は「お休み」らしい。

「でも、そういうのは、生きてないとできないよね」

空を仰げば、雲ひとつ無いあおぞら。眩しくて、そして吸い込まれてしまいそうな程、あおい。

「だから、ボク、生きてるのがたのしいのかな」

「不思議な生き物」もまた、同じように空を仰いでそう云った。
何故だか笑みがこみ上げてくる。そう言えば、彼の友人もいつも笑っているひとだった。そう思うとより一層可笑しくなった。

「笑ってもいいよ」

それを見抜いたように、彼は云う。

「楽しいから、笑うんだよね。
 生きてるのが楽しいんだよね。
 笑ったり、泣いたり、怒ったりするのが楽しいんだよね。
 だから、笑ってもいいよ。
 楽しいから、笑うんだよね」

そう言う彼も又、笑っていた。
 
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