dreams…
□このまま時間を
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「こんにちは〜」
「やぁ」
ポッポタイムにお邪魔すると、ブルーノは大らかな笑みで迎えてくれた。ただ、そこにいつもの賑わいはない。
「ごめんね。遊星たち今留守にしちゃって僕しかいないんだ」
「あはは、好都合だって思ってない?」
「もちろん」
私がデスクまで歩み寄っているとその身体を不意に引っ張られて彼の腕の中にすっぽりおさまった。
「んー」
「ちょ…ちょっとちょっと待って!ブルーノ、ストップ!」
遊星たちは出かけているようでもいつ帰ってくるか分からない。この休日のお昼時は龍亞や龍可、アキだって訪ねてくるだろう。
私はブルーノの唇を手のひらで受けとめた。しぶしぶと解放しつつ“じゃあ、後でね”と言ったブルーノに少しだけキスを拒んだことを後悔する。後で、かぁ…
「そうだ、今日はどうしたんだい?ライセンス取得したって聞いたし、Dホイールかな?」
「それもあるけどね、デッキ調整に助言もらいたくて」
「それなら僕も手伝うよ」
「あれ、ブルーノってデュエルするの?」
「あぁ…僕だってデュエ…あれ」
(僕は…デュエルを…どんなデッキを使ってたかな…)
「…ブルーノ?」
「あ、ああ!ごめんごめん。遊星を待ってる間、僕にもデッキ見せてほしいな」
やたらと密着度の高いその談笑は、数分後に子どもたちや仕事を終えてきた者らに止められてしまうのである。
このまま時間を
(ねぇ、シンクロは使わないの?)
(そう、それ。今回入れてみようかなって)
(そっかー。シンクロはね、レベルをあわせて…)