dreams…

□change
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世に云うどこぞの怪盗も得意とする変装術は、この組織に属する者として、当然で、必然的に持ち合わせるべき技術だ。
私はブロンドの髪をむず痒く思いながら、彼女の仕草を真似て、同じ香水をつけ、真っ赤なルージュを塗りたくる。





「…何をしている」

「ベルモットには、見えない?」

彼女と同じ煙草をくわえて、ちらりと横目の先にはいつの間にか彼の姿がある。

「随分不味そうに吸っているからな」

ジンは私の口元から煙草を取り上げた。代わりに彼の唇が降りてきたかと思えば、貪りつくように、噛みつくように、呑み込まれていく。

「うっ…は、何、よ…欲情でもしてんの…彼女は今、長期の任務でしょ?さぞかし溜まってんでしょうねぇ」

「お前に代わりが務まるか…今ここで見てやろう」

するりとスカートの中に手を滑りこませる彼の手慣れた行為を、私は静かに受け入れた。


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