忍たま乱太郎
□君と衝立論争
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6年生の長屋へ移ってまず最初に見たのは衝立だった。
部屋を二分する、大きめな衝立。なんだか意味もなく驚いた。
「なんの配慮なんだ、これ」
留さんが顔をしかめて呟く。一緒に進級できた食満留三郎とは、今年も同室だった。
「いろいろな配慮なんだよ、留さん…。わたしたち一応思春期なんだし」
「なんか…露骨だなぁ…。それに今更って気がするが」
「確かにねぇ。でも文次郎は泣いて喜びそうだけど」
「あいつ、また仙蔵と同室なんだってなぁ」
留さんが気の毒そうに言う。文次郎の喜んだ顔が目に浮かぶようだ。
…仙蔵は頭がいい分、考えることがえげつない…と思う。彼のいたずらにかかるのは、大抵文次郎だった。これからは布団を並べて寝なくて済む。文次郎の隈も少しは消えるんじゃなかろうか。
「じゃあ…荷物整理でもするか」
なんとなく部屋の右側を留さんが、左側をわたしが使うことになった。
それから幾日かすると、衝立はだんだんと気にならないものに変わっていった。