短め1('09/4/14〜'12/3/31)
□『そうなる、いくらか前のはなし』
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料理長が、執事に怒られていた。
いや、それならばいつものことだと気にも留めないのだが。
あの使用人が執事から説教を食らうのは、大抵調理場を丸焦げにしたか、爆発を起こしたか。
要するに料理長本人が風体に何かしら、髪型が残念なことになっていたり、うろつかれるのが不愉快なほど体中煤だらけだったり。
そんな風になっているのが常だった。
それなのに、今日はそんなことはなく。
そしていつも以上にしおらしく。
説教する側のセバスチャンも、えらく真面目な顔をして。
いつもなら視界の外で気にもしないようなことなのに、何故か今日に限って気になった。