Sweet☆Motion

□番外編U
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「キス、していい?」

「え!?」

「キスがしたい」

「そんな‥‥恥ずかしいよ」

「彩‥‥」





俯く彩の顔をゆっくり上げる。

恥じらい瞳を反らす彩の頬が薄らピンク色に染まる。


愛しくてたまらない。

この感情は全て彩だけのもの‥‥。


ゆっくり顔を近付けて軽く唇が触れると、彩の身体が強張るのが伝わってきた。

ギュッと瞳を瞑り、俺の胸にしがみつく彩にどうしようもなく欲情する。


あぁ‥‥

心が満たされると、身体も欲しくなるものなんだ。


更に唇を重ね想いを露にする。





「‥‥んっ、健‥ちゃ‥‥」

「‥‥彩‥‥好きだよ」





重ねても、重ねても、想いはドンドン貪欲になっていく。

堅く閉じた唇を割って舌を絡ませれば、より想いは深くなる。





「‥‥ンッ、健‥‥ちゃん」

「‥ハァ‥‥彩‥‥」

「健ちゃ‥ッ‥‥携帯‥‥なって‥‥んっ」

「平気。‥‥黙って」

「でも‥‥」

「彩‥‥」

「ん〜っ‥‥健ちゃん!」










「うわっ!?」





頭の上から携帯が鳴っているのが響いてくる。


ん? あれ?

せっかくいい所なのに‥‥


モゾモゾと携帯を探り当て出る。





「‥‥もしもし?」

『あ、健ちゃん? 朝早くからごめんね』

「え? あれ?‥‥彩?」

『ん?』

「あれ? だって、さっきまで‥‥え?」

『クスクス。健ちゃん、寝ぼけてる?』





え? えっ!?





『今日出先から直帰出来るから、現地集合で平気だよって伝えたくて‥‥。健ちゃん? 大丈夫?』

「え? うん。‥‥え?」

『じゃあ、また夜にね』





用件が済んだのか、彩からの電話はすぐ切れた。





え? あれ?

さっきまでのって‥‥





夢!?



うわっ!

俺、なんちゅー夢見てんだよ!!

たまってる中学生男子かよ!?





‥‥‥‥。

そうだ。

今日、久しぶりに彩と会う約束してたんだった。



ヤベー‥‥。

‥‥恥ずかしい。





でも、あんな夢見ちゃう程俺、彩の事好きなんだな。



ハァー‥‥

なんだよ、夢かよ。





恥ずかしさとやりきれなさに、当分布団から出れないでいた俺なのでした。





(早く)
(キミが欲しい)

END.

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