お前が笑う姿も、泣く姿も、全部俺だけのモノにしたい。
もう、限界だ。分からないなら聞けばいい。
欲しいなら奪えばいい。
「誰の為? 井ノ原くん?」
名前を出した途端、雅の表情が一変する。
お前の気持ちは、本当にそこにあるの?
掴んでる腕に力がこもる。
「お前、井ノ原くんの事好きなの?」
「何を‥‥」
お前でも、そんなに動揺するんだな。
俺、お前が欲しいんだよ。
「井ノ原くんに彼女いても、それでもお前好きなの?」
雅の瞳が見開く。
でも、そんなの知るか。
誰も動かないなら、自分が動くだけだ。
それで何かがぶっ壊れたとしても‥‥
なのに‥‥お前は泣くんだな。
今、俺の前で再び涙するお前を見ると、やっぱり俺に振り向いてくれないと告げられているようで
泣きたくなった。
何でだよ‥‥
何で─────‥‥