ドンッ!!―――
私は無我夢中で剛を突き飛ばした。剛は私から離れたが、見つめ続ける。
「な‥‥に、してるの?」
声が震えてる。
手も、体も‥‥。
どうして!?
「何してんのよ!?」
混乱する中、ただただ剛に怒鳴る事しか出来ない自分がいた。
「キスしたいからした」
剛がサラッと言う。
剛の表情から、今何を考えてるのか私では読み取れない。
驚きから、次第に苛立ちへと変わる。
「何言ってんの!? バカじゃない!?」
「バカじゃねーよ」
また一歩私に近づき、私の腕を取る剛。
「放してよ!」
腕を振り回しても、剛は力強く握り締め放してくれない。
「放さない」
「放してよ!」
「誰の為に泣いたの?」
「放して!!」
腕を放してくれない剛。
真剣な眼差しを向けられ、私は後ずさりする。
怖い―――‥‥
嫌だ‥‥こんなの嫌だ!!