Sweet☆Motion

□第8話
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《准 side》


何故、止められなかった?

表情を見れば分かっていた筈なのに、止める事が出来なかった。





「彩ちゃん、剛くんの事好きやろ?」

「‥‥准くん‥‥」





泣きそうな顔する君を見て、やっぱり聞いてはいけなかったと確信する。

でも、俺はいつも見守る事しか出来なくて、ちょっとでもいいから頼って欲しいって思ってしまうんだ。


そんな些細な自分の欲で

今、君は、笑顔を消して俯いている。


ほっとけなくて、でも、何も出来なくて、いつもいつも、君の笑顔を見てきた。





自分がどうしたいのかも分からないけど

ただ、君の笑顔を心底見たいと思うんだ。





「ごめん‥‥准くん。今は‥‥話したくない」

「‥‥俺こそ、余計な事言ってごめん」





君は意外と強いんだね。

でも今は、その強さ切ない気持ちにさせるだけだよ?





「行こう‥‥か?」

「うん」





不器用に笑う君を抱きしめたい

そう思う俺はきっと───‥‥。


でも、そしたら君はきっと

もっと困ってしまうんだろうね。



謝る事しか出来ない俺と

弱音を吐かない君

この距離は縮まらない?



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