《剛 side》
失敗した。
後から後悔しても遅いのは分かってる。
でも、コイツがここまで鈍感だって分かったらかなり苛ついて
「雅に会いたいから会いに来た。それじゃダメなのか?」
勢いで言ってしまった。
それでもコイツの事だから
『それどういう意味?』
なんてふざけた事言ってくるんだろうなって思ったのに、黙りやがった。
挙動不審になってるし、目の視点メチャメチャ合ってねー。
ウケんだけど、コイツ。
なんて、今は楽しんでる場合じゃねーな。
出会った時からずっとアピールしてるのに気づかないお前が悪い。
そういう気持ちあるのは拭えないけど、ここで全て台無しになるのは何か嫌だ。
そう思ったら、フォローするしかないじゃん?
「分かった。誰か呼ぶから、それでいい?」
「え? あ‥‥うん」
本当は2人でいたい気持ち抑えて、何くわぬ顔で電話する。
すぐお互い喧嘩口調になっちまうけど、俺はお前と一緒にいたいと思うんだ。
いつになったら気づくんだ?
お前さ
俺がちゃんと言ったら
俺のもんになってくれる?