Sweet☆Motion

□第6話
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玄関へと向かい、扉の向こう側に声を掛けた。





「どちら様ですか?」

「俺。坂本です」

「ハ? 昌!?」





そう言い、勢いよく玄関を開けた。





「どうしたの?」

「お前がどうしたよ?」

「ハ?」





何が何だか分かってない私をよそに、昌の手が私の額へと伸びた。





「やっぱな。お前熱あるぞ」

「へ?!」





自分の体の異変に気づいていなかった私は、ただただ昌の言動にビックリするだけ。

昌に言われ、熱を計ってみると38.8℃。立派な高熱を出していた。





「寝てろ。キッチン借りるな」





そう言った昌は、私のおでこに冷えピタを貼りキッチンへ。私は言われた通り、大人しく横になってみた。


何で分かったんだろ? さっきの電話で? だとしたら‥‥

昌、スゲーッ!!


なんて、いつもより冷静さに欠ける思考回路は徐々に停止し始める。



ほのかにいい匂いが部屋に漂い始めた頃





「雅、起きれるか?」





昌の声で起こされた。





「‥‥ン‥‥」

「飯食って、薬飲んだ方がいいぞ」





体を起こしリビングに向かうと、美味しそうな雑炊が用意されていた。





「昌、凄ーい」

「いいから食えよ(笑)」





チョコンと座り、昌が作ってくれた雑炊を食べ始めた。





「ウマッ! 昌凄いね」

「何が凄いんだよ(笑)」

「だって、これ美味しい!」

「そりゃどうも(笑)。味覚分かんなら大丈夫だな」





私が食べる姿を昌は静かに見守っていた。





「ご馳走様でした」

「お、食えたな。薬飲んどけよ」





薬と水を渡され、昌は食器を片し始める。





「何かいいね」

「ハ?」

「昌いたら風邪ひいた時安心だね」

「風邪ひいた時だけかよ(笑)」

「一人暮らししてると、体調崩した時不安になったりするじゃん。こういうのっていいよね。身に沁みる。」





私はしみじみと言ってみる。





「雅、お前って弱ってる時可愛くなるのな(笑)」

「ハ!?」





昌は何とも言えない笑みを零す。





「ホレ、薬飲んだら寝ろ。俺も帰るし」

「え? 帰るの?」

「‥‥‥‥」





あれ? 私変な事言ったかな?


昌はキョトンとした顔を私に向けている。





「‥‥帰らないんだったらどうすんだよ?」

「ちょっと‥‥話し相手になってよ」

「やっぱお前、いつもより可愛くなってるぞ(笑)」

「バカにしてるの?」

「イエイエ(笑)」





そう言って昌は笑いながらソファへと腰を下ろした。



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