Sweet☆Motion

□第6話
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「お疲れ様です」

「お疲れ様」





仕事を終え、1人街中を歩く。





「ハァー‥‥」





大きな溜め息をついても、この何週間か気が晴れる事はなかった。

頭の中をグルグルとかき乱すモノ



『雅に会いたいから会いに来た』



剛の放った言葉が頭から離れてはくれなかった。


あれは、一体どうとればいいの?


あの日あの後、准くんと彩が合流し普通の会話をした後、准くんと剛は帰っていった。

その後、何となく1人になりたくなくて彩に泊まって貰う事にした。でも、彩も少し様子がおかしかったな。

頭の中はフル回転。

全然まとまらない上に分からない事だらけで、どうすればいいのかも分からなくなっていた。

彩に話したくてもあの日はそんな雰囲気じゃなかったし、仕事が忙しいらしく会えない日々が続いてる。


どう整理すればいいんだろう? 昌や快に“鈍感”と言われたのは、もしかしてこの事? そうなの?

あーっ‥‥!! もう分かんない!!

悩み過ぎて頭もボーっとする。今日はもうこれ以上悩むのは止めて、大人しく帰って寝よう!


そう決めて、足早に帰宅路を歩く。


疲れたな‥‥。





遠い記憶の中、何か聞こえる。

意識がハッキリしてくると、周りを見渡した。


今、何時だろう? 帰宅してから、すぐに眠っちゃったんだ。


と、携帯が鳴っている事に気づく。画面を開くと、昌からだった。





「――‥‥、ハイ」

『もしもし? お前どうした? その声』

「え? 寝てたからかな? おかしい?」

『可笑しいだろ(笑)。寝てたのか? 悪ぃー、こんな時間に』





時計を見ると、まだ23時にもなっていなかった。





「ううん、平気。どしたの?」

『いや、仕事早く終わったから電話してみたんだけど、寝てたならいいんだ』

「そ? じゃあ、またね」





そう言って、すぐに電話を切った。

重い体を起こし、洗面所へ足を進めた。


顔、むくんでる‥‥。


昌に言われた事を気にし、顔を洗いうがいをした。


体ダルイなぁ‥‥。疲れたんだな。


そんな事を呑気に考えながら、またベッドへと体を沈めた。ここの所ずっと考え事してたし、考えるのが嫌でオーバーワーク気味だったかも。

体を動かしても、どこかに出掛けても、悩みが消える事はなかったが‥‥。

重い体を横にし、また意識を手放し始めた頃



ピンポーン‥‥



チャイムが鳴った。


‥‥? こんな時間に誰だろう?



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