Sweet☆Motion
□第4話
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「俺はさ、皆が好きだから、楽しく仲良くしていければいいと思ってるよ。そこに恋愛感情が生まれたなら、上手くいって欲しいとも思うし」
「博兄は、皆を見守るお母さんみたいだね(笑)」
「手のかかる子ばっかりだから大変なのよ(笑)」
女口調でおどける博兄を見て笑った。
「彩は笑ってる方が合ってるよ。笑顔が消える恋愛は、お母さんして欲しくないわ」
「アハハッ(笑)! 博兄‥‥ありがとう」
笑顔を博兄に向けると、博兄は真剣な表情を見せた。
「本当にそう思ってるよ。好きって気持ちが芽生えた上で言うのはなんだけど、彩には合わないと思う」
「‥‥博兄」
「彩より俺、あいつの事知ってるから‥‥。多分、彩は報われないよ?」
「‥‥うん。分かってる。でも、自分の気持ちに後悔したくないから頑張ってみる」
「‥‥そっか。何かあったら何でも言っておいで。応援してるから」
「博兄、ありがとう」
「キツイ事言ってごめんな?」
「大丈夫! 為になった」
「そっか(笑)。でも、これだと健も失恋決定かぁ」
「え?」
「イヤイヤ。キツイ事言ったお詫びに、デザートも奢って差し上げましょう」
「ヤッター!」
本当は‥‥分かってるって言ったけど、ちゃんとした覚悟は決まってなかったと思う。
博兄が正直に意見を言ってくれて嬉しい反面、やっぱり悲しかったもの。
雅ちゃん‥‥、雅ちゃんは私の気持ち知ったらどう思うかな?
私達の関係は変わらない?
私、まだ雅ちゃんには言えないよ。自分が怖くて‥‥。
博兄との楽しいグルメツアーを終え、帰宅途中携帯が鳴った。携帯画面を覗くと、准くんからの電話だった。
「もしもし、准くん?」
『うん』
「この間は送ってくれてありがとう」
『どう致しまして(笑)。あー‥‥彩ちゃん今、何してる?』
「今? 外にいるよ。帰りの途中なの」
『そうなん? 実は‥‥剛くんから呼び出されて‥‥』
「うん?」
『剛くん、今雅ちゃん家に居るらしいんやけど』
「‥そう‥‥なんだ」
『彩ちゃん連れて来いって言われて‥‥』
「えっ?」
『平気やったら迎えに行くから、場所教えてくれへん?』
突然の電話に、突然の状況、思考回路が上手く働いてくれない。
どういう事なんだろう?
「行った‥‥方がいいのかな?」
『出来れば‥‥』
「分かった‥‥」
『ごめんね、急に。すぐ迎えに行くから』
「准くんが謝る事ないよ。じゃあ、待ってるね」
よく分からないながらも、准くんの迎えを待って雅ちゃん家に向かう事になった。
准くんを待ってる間に、雅ちゃんからメールが届いた。
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受信
□**/**/**
□雅ちゃん
□無題
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准くんから連絡きた!?
急にごめんね!!
とりあえず、家で待っ
てるから
詳しい事は後で!
- END -
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博兄とあんな話をした後に私、雅ちゃんと上手く話せるかな‥‥。
剛くん、雅ちゃん家遊びに行くんだ‥‥。
博兄、私本当は優しくなんかないんだよ?
私‥‥私、今醜い顔してないかな?
だって
今、私の心の中醜いモノが渦巻いてる─────‥‥
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