Sweet☆Motion

□第4話
3ページ/3ページ



「俺はさ、皆が好きだから、楽しく仲良くしていければいいと思ってるよ。そこに恋愛感情が生まれたなら、上手くいって欲しいとも思うし」

「博兄は、皆を見守るお母さんみたいだね(笑)」

「手のかかる子ばっかりだから大変なのよ(笑)」





女口調でおどける博兄を見て笑った。





「彩は笑ってる方が合ってるよ。笑顔が消える恋愛は、お母さんして欲しくないわ」

「アハハッ(笑)! 博兄‥‥ありがとう」





笑顔を博兄に向けると、博兄は真剣な表情を見せた。





「本当にそう思ってるよ。好きって気持ちが芽生えた上で言うのはなんだけど、彩には合わないと思う」

「‥‥博兄」

「彩より俺、あいつの事知ってるから‥‥。多分、彩は報われないよ?」

「‥‥うん。分かってる。でも、自分の気持ちに後悔したくないから頑張ってみる」

「‥‥そっか。何かあったら何でも言っておいで。応援してるから」

「博兄、ありがとう」

「キツイ事言ってごめんな?」

「大丈夫! 為になった」

「そっか(笑)。でも、これだと健も失恋決定かぁ」

「え?」

「イヤイヤ。キツイ事言ったお詫びに、デザートも奢って差し上げましょう」

「ヤッター!」





本当は‥‥分かってるって言ったけど、ちゃんとした覚悟は決まってなかったと思う。

博兄が正直に意見を言ってくれて嬉しい反面、やっぱり悲しかったもの。


雅ちゃん‥‥、雅ちゃんは私の気持ち知ったらどう思うかな?

私達の関係は変わらない?

私、まだ雅ちゃんには言えないよ。自分が怖くて‥‥。





博兄との楽しいグルメツアーを終え、帰宅途中携帯が鳴った。携帯画面を覗くと、准くんからの電話だった。





「もしもし、准くん?」

『うん』

「この間は送ってくれてありがとう」

『どう致しまして(笑)。あー‥‥彩ちゃん今、何してる?』

「今? 外にいるよ。帰りの途中なの」

『そうなん? 実は‥‥剛くんから呼び出されて‥‥』

「うん?」

『剛くん、今雅ちゃん家に居るらしいんやけど』

「‥そう‥‥なんだ」

『彩ちゃん連れて来いって言われて‥‥』

「えっ?」

『平気やったら迎えに行くから、場所教えてくれへん?』





突然の電話に、突然の状況、思考回路が上手く働いてくれない。


どういう事なんだろう?





「行った‥‥方がいいのかな?」

『出来れば‥‥』

「分かった‥‥」

『ごめんね、急に。すぐ迎えに行くから』

「准くんが謝る事ないよ。じゃあ、待ってるね」





よく分からないながらも、准くんの迎えを待って雅ちゃん家に向かう事になった。

准くんを待ってる間に、雅ちゃんからメールが届いた。





―――――――――――
受信
□**/**/**
□雅ちゃん
□無題
----------------------
准くんから連絡きた!?
急にごめんね!!
とりあえず、家で待っ
てるから
詳しい事は後で!

   - END -
―――――――――――





博兄とあんな話をした後に私、雅ちゃんと上手く話せるかな‥‥。

剛くん、雅ちゃん家遊びに行くんだ‥‥。

博兄、私本当は優しくなんかないんだよ?

私‥‥私、今醜い顔してないかな?



だって

今、私の心の中醜いモノが渦巻いてる─────‥‥




Next.

前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ