Sweet☆Motion
□第4話
2ページ/3ページ
「キャーッ! 博兄、コレ美味しいよ!!」
「だろ? 彩、絶対ここの店の味好みだと思ったんだよね」
「うんうん!」
今日は、博兄とグルメツアー第3回目を開いています。
食べ歩きが趣味な私は、博兄と出会ってから時間が合えば美味しい店を紹介し合うという仲。
なかなか博兄とは会えないから普段は1人で探してる事が多いけど、やっぱり美味しい物は誰かと「美味しいね!」と言い合いながら食べるのが一番!
「やっと博兄とご飯食べに行けるから、私ちゃんと予習復習してきたんだよ」
「おー、勉強熱心だね(笑)」
「エヘヘ。特に場所、ね」
「彩、方向音痴だもんね」
「前回は失礼致しました」
「イエイエ(笑)」
前回博兄に私のお薦め店を紹介しようとした矢先、見事に道に迷い博兄に迷惑をかけた事を思い出し、かしこまる仕草でうやうやしく謝りの言葉を掛けると2人で笑い合った。
本当に楽しい時間。
「この間のお花見楽しかったね! 途中で雨降ってきちゃったのは残念だったけど」
「そうだね」
「でも! 博兄が持ってきてくれた焼きソバ超〜美味しかった!!」
余りにも興奮して言ったので博兄は爆笑。
「あの焼きソバお気に入りなんだ。無理言って持ち帰り用に詰めてもらった物なんだよ」
「そうなんだ。皆もウマウマ!言いながら食べてたもんね」
「まぁ、そこまで反応示してくれるのは、彩だけなんだけどね」
「そう? 私は博兄と知り合えて本当に嬉しい!」
「あははっ! 俺も嬉しいよ」
やっぱり嬉しい事、楽しい事、分かち合えるっていうのは最高。
「帰りは大丈夫だった?」
「うん。准くん優しいから、ちゃんと家の前まで送ってくれたよ」
「そっか。良かったね」
「博兄は大丈夫だった?」
「うん? あー、1人最後までウルサイ奴居たけどね(笑)」
「アハッ。快くんは常に明るいもんね」
「明るいんじゃなくて、ウルサイんだよ」
博兄が呆れて言うから、快くんには悪いけど笑ってしまった。
「彩は大変だな」
「何が?」
「うちのウルサイ奴と絡みづらい奴に好かれて」
「え〜(笑)? 好かれてるって言うよりかは、からかわれてるの方が当ってる気がするけど」
「まぁ、皆でワイワイやってるのが楽しいって感じも無くは無いけど」
博兄の言葉に、私は感づいてしまった。
どうしようか一瞬悩んだけれどこういう機会はめったにない事だから、私は意を決して聞いてみる事にした。
「博兄はもしかして、今の皆の心境把握してる?」
私の問いかけに博兄は一瞬考える仕草をしたが、すぐに私に笑顔を向けた。
「うん。多分、大体は」
「そっか‥‥」
それを聞くと、私は黙り込んでしまった。
私は‥‥最近、変なんです。
皆と知り合って、仲良くなればなる程、何とも言えない気持ちになる。
言葉に表せなくて、当然のように雅ちゃんにも言っていなかった。
「彩は意外と雅より敏感なんだね。女の子らしいって言えばそうなんだろうけど」
「私は普通だよ? 雅ちゃんがちょっと鈍感さんなだけで(笑)」
「雅は確かに鈍感だけど、彩の鋭さは優しさに繋がってると思うよ」
「そんな事‥‥ないよ」
博兄‥‥。
博兄は多分、私の気持ちを知ってる上でそう言ってくれたんだと思う。
「彩には酷かもしれないけど‥‥雅のあの性格は魅力あるよ」
博兄は男性意見を語り出す。
「彩もモテると思うけど、雅には違う魅力があるからね。気強そうに見えて、実は彩より脆そうな雰囲気ある雅は、彩とは違う意味で守りたくなる感じがあるから」
「‥‥うん」
「そういった意味では、彩の恋愛は辛いモノになるかも」
ハッキリとした口調で、隠す事なく博兄は意見を言ってくれた。