Sweet☆Motion
□第2話
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「送ってくれてありがとう」
あんな言い合いをした後だが、ちゃんと送ってくれた事には変わりない。車から降り、剛にお礼を言った。
「おう」
「じゃ、お花見で」
そう言って、私は自宅のマンションへと入った。
颯爽とマンションへ入っていく雅の後ろ姿を、剛が見送っていた事も知らず。
「あいつ、分かってねーよな‥‥」
剛が呟いた言葉は雅に届く事なく、春の風に吹き消されていった────‥‥
* * * * *
春とはいえ夜はまだ肌寒い。それでも、綺麗に咲き誇る夜桜を眺め、気分は上々。
缶ビールを片手に周りを眺めれば、桜以上に贅沢な光景が映し出される。
剛「コーラねーの?」
快「誰か池に飛び込んでみてよ」
健「井ノ原くんやれば?」
快「え〜。剛ちゃんが飛び込むなら、俺も入っちゃおうかな」
剛「何で俺なんだよ!?」
博「風邪ひくから止めよーね」
剛「バーカ、細目!」
健「バーカ!」
快「あらあらあら? そんな事言っていいのかなぁ!?」
剛「ウゼーよ! あっち行けよ!」
准「彩ちゃん飲んでる? 気ぃ遣わなくて平気やで?」
「うん、大丈夫だよ。雅ちゃんビール足りてる?」
‥‥‥‥‥。
予定通り花見は開かれ贅沢な光景と思いきや、大人と子供が混じってるような感じ。
いくら花見とはいえ、好き勝手まとまり無さ過ぎだろ‥‥。彩が前に言っていた、これがこいつ等の良い所なのか?
ふと、上機嫌でひたすら酒を飲んでいる人物発見!
「昌! あんた飲み過ぎだよ!」
昌の手から酒を取り上げるも、素早く酒は元の持ち主の手に戻った。
昌「これを楽しみに今日1日頑張ったんだから、この位いいだろ?」
「明日起きれなくても知らないからね」
准「雅ちゃんもっと言ったって。明日仕事一緒やねん」
「ほらー! おじいちゃんはそろそろジュースにしなさい」
「昌兄、オレンジジュースならあるよ?」
彩まで混ざって言うもんだから皆が笑った。
昌「皆してジジィ扱いすんなよ(笑)。つーか、雅!」
「ん〜?」
昌「俺前から、お前に言いたい事あるんだけど」
「何よ?」
昌「お前何で長野はくん付けで、俺は呼びつけなの?」
「ん? ん〜‥‥、何となく?」
博「坂本くん、くん付けで呼ばれたいんだ(笑)?」
快「坂本く〜ん! そんな小さい事気にしてるようじゃビッグな男になれないぜ!?」
昌「井ノ原ウルセーよ(笑)。おかしくね? 最年長の俺が呼びつけって」
かなり真剣な様子で言っている昌が可愛くも感じたが
「だって、昌って“昌くん”って感じじゃないじゃん」
とりあえず、ここはキッパリ言っといた。
それを聞いた昌以外、爆笑の渦が起きる。
剛「さすが雅!」
健「ウケるー!!」
博「雅、それは言い過ぎのような(笑)」
昌「長野、何のフォローにもなってねーよ‥‥」
快「坂本くん気にすんなよ! 俺も剛も、雅にくん付けで呼ばれた事ねーよ?」
昌「お前等はいいんだよ」
くだらない事でギャーギャー騒いでる輩と、それを見て笑っている准くんと彩。
うん、やっぱ皆とこうしてるのは楽しい。
健「彩〜♪ 靴下脱がしてぇ」
「え?」
博「健ちゃん、いつの間にそんなに飲んだの?」
准「結構いいペースで飲んでたで」