Sweet☆Motion
□第2話
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受信
□08/04/** 12:53
□快彦
□決定!!
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雅----!!頑張っ
てっか!?
お花見日程発表!!!!
4月*日 **でやる
ぞぉい!
空けといてね
-END-
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仕事を終え携帯を開くと、何ともテンションの高いメールが届いていた。
ハートマーク使うのかよ‥‥。
少し呆れながらも快彦がどんな風にメールを入れてきたのか想像は容易く出来て、何だか可愛く思えたので了解メールを送ってみた。
ヤバッ‥‥。私、今1人でにやけてるかも。
両手でにやけてる頬を隠しながら外に出た時
プッ プーッ
車のクラクションが鳴った。
鳴った車の方へ目を向ければ
「‥‥剛!?」
「オス!」
剛が車から顔を出して軽く挨拶をした。
「どうしたの? 何でここにいるの!?」
「今日はいい反応するな(笑)。仕事終わってここの前通ったら丁度お前出てきたから」
“いい反応”? この間の態度の事言ってんのか?
「乗れよ」
「は?」
「送ってやるから早く乗れ」
送ってくれるのは嬉しいけど、命令かよ‥‥。
でも、確かに今日は快彦のメールで気分良いし。
と、素直に送って貰う事にした。
「快彦からメール来たよ。皆の予定合わせるの大変だったんじゃない?」
「何とかなるだろ」
「彩も楽しみって言ってたし」
「あっそ。」
「“あっそ”って‥‥。あんた等が誘ってきたんじゃん。剛、あんた冷め過ぎじゃない?」
剛の反応に、さっきまでの気分が急に台無しにされた気になって、自分がお花見楽しみにしたのが何だかバカらしくさえ思えてきた。
「今日は良く喋るな。そんなに井ノ原くんから嬉しくなるメール来たのかよ?」
「言う相手間違えた」
「ハァ?」
「剛の反応つまんない」
「何だよ、それ?」
段々と、車内の雰囲気が悪くなっていくのが分かる。
前から思ってたけど、私と剛はきっと気が合わない。2人っきりで、会っちゃいけない相手なんだと思う。
車に乗ってから再確認してみても、時すでに遅し。
「楽しみにしちゃいけなかった!?」
「何も言ってねーだろ」
「言ってんのと同じじゃん」
「何急に機嫌悪くなってんだよ」
「別に。」
「っんだよ。せっかく送ってやってんのに」
「じゃあ、止めて! 降りる」
「ハァ!?」
ダメだ‥‥、止まらない。
何故か、今日の自分の気分と剛の反応が噛み合わなくてイライラする。
「止めて! 1人で帰る」
「降りろなんて言ってねーだろ!?」
「じゃあ、何で自分が花見来いって言ったのにそんなに素っ気ない訳?」
「ハァ? つーか、お前こそせっかく俺が送ってやってんのに、いきなり井ノ原くんの話題って何?」
「何それ? 剛の前では、メンバーの話タブーなの!? 意味分かんない!」
「そーじゃなくて‥‥。もう、いいよ」
「いいなら、早く降ろして!」
「あーっ!!」
剛がいきなり大きな声を出すから、ビックリして言葉が止まる。
「井ノ原くんからメール来て、そんなに嬉しい!?」
「じゃなくて、花見の話をしたんじゃない!」
さっきから“井ノ原くん”って、何が言いたいのか分かんない!
「快彦が花見の日程メールくれたんだから、そう言うでしょ?」
「井ノ原くんからメール来たから、そんなにテンション上がったんじゃねーの?」
「何で“快彦快彦”言うの? 意味分かんない! 花見本当にやるんだって思ったら、ちゃんと報告してくれたら、誰だって喜ぶでしょ!?」
「っだよ。だったら、最初っからそう言えよ」
「言ってたじゃん!」
「俺はてっきり‥‥」
「剛」
「あー!?」
「私の家、通り過ぎてんだけど」
「あっ‥‥」
白熱し過ぎて、いつの間にか家を通過している事に気づき、しらけた。というか、場が和んだ。