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□愛しのアノ子と間接キッス☆
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本当に戦闘の最前線で刀を握っているのかと疑ってしまうぐらい綺麗に整った指先に挟まれたソイツが憎い。
挟まれるならまだしも、ぷっくらとした唇まで奪うとは何事か。
恋人の俺を差し置いてナニしてくれてんだコンチクショウ。
「…そんなに見つめられると困るんだけど」
チュッと可愛いリップ音を鳴らしながら修兵と離れるソイツ。
テラテラと艶めかしく唇が濡れている様を見れば、どれだけ長いこと互いに触れ合っていたかを物語っている。
もうソイツ捨てちまわねぇ?
けれど、修兵の唇を奪った憎き相手を駆除するために伸ばされた手は、その助けようとした相手によって妨げられてしまった。
不思議そうに俺とソイツを交互に見ながら、何か思い付いたらしい修兵が口を開く。
「…もしかして、妬いた?」
さっきまで接触していたソイツを俺の目の前にチラつかせながら余裕の笑みを浮かべながら聞いてくる姿は、悔しいけれどカッコイイ。
そりゃあ、年上ってのもあるけど。
なんだか負けた気がして思わず俯くと、艶のある声で呼ばれた。
「大好きな檜佐木副隊長と間接キッスー」
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