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□眠り姫と電車ランデブー
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うだるような暑さから逃れるように転がり込んだ電車内のクーラーが心地いい。
なんとか座席にも座れた事だし、仲間から甘過ぎると評判の飴玉を食べようと足元に置いたバックに手を伸ばしたときだった。
目の前の席に、眠り姫がいる。
思わず動きを止めて見とれちまう程の凄まじい色気。
遠くからでも解るぐらい色白な首筋が惜しげもなくYシャツから覗いていて、大胆にも第2ボタンまで全開ときた。
熟睡しているのか、音楽を聞きながらコクリコクリとしているその姿は可愛らしく、髪は息をのむほどに艶のある黒髪ウルフカット。
伏せられた睫は長くて、少し開きかけた薄桃色のぷっくらとした唇は、むしゃぶりつきたくなっちまう。
まぁ素直に言うと、めちゃくちゃ好みだったりするワケだ。
……もしかしなくても一目惚れ?
俺は慌てて探すはずだったお目当てのモノを見つけ出し、まさかの展開に転がった気を紛らわすように口の中へ放り込んだ。