TALES OF…short story

□オカエリ
1ページ/5ページ

―――約束、してたからな

月の光がティア、ガイ、アニス、ナタリア、ジェイドの五人を照らしている。



「ルーク!!」

ティアは目の前にいる人物に駆け寄って、抱きついた。

久しぶりのはずなのに、彼、ルークのことはちゃんと覚えていた。

あの時は短く切った筈なのに、髪が前よりも赤く、伸びていた。

「無事、だったのね」

ルークは微笑む。

ティアを安心させるように。

「・・・バカ」

ティアが呟くと苦笑いをした。

周りにいた仲間も彼に歩み寄る。

「おやおや、大胆ですね。いやー若いって良いですね」

からかうようにして言ったジェイド。

その言葉にハッとしてティアが顔を赤く染め飛び退いた。

「大佐、からかうのはやめて下さい」

「それは失礼」

いつもの調子で言ったが、ジェイドも喜んでいるのだろう。

優しく微笑んでルークを見る。

「久しぶりだな、ジェイド」

「えぇ、本当ですよ。ルークの事を考えると胸が痛くて・・・」

「まったく気持ちが篭ってないぞ。嘘がバレバレだ」

「おや、バレちゃいました」

あれから何年経ったかルークには分からなかったが、ジェイドはまったく変わってはいなかった。

それがなんだか彼には嬉しいことだった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ