TALES OF…short story
□オカエリ
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―――約束、してたからな
月の光がティア、ガイ、アニス、ナタリア、ジェイドの五人を照らしている。
「ルーク!!」
ティアは目の前にいる人物に駆け寄って、抱きついた。
久しぶりのはずなのに、彼、ルークのことはちゃんと覚えていた。
あの時は短く切った筈なのに、髪が前よりも赤く、伸びていた。
「無事、だったのね」
ルークは微笑む。
ティアを安心させるように。
「・・・バカ」
ティアが呟くと苦笑いをした。
周りにいた仲間も彼に歩み寄る。
「おやおや、大胆ですね。いやー若いって良いですね」
からかうようにして言ったジェイド。
その言葉にハッとしてティアが顔を赤く染め飛び退いた。
「大佐、からかうのはやめて下さい」
「それは失礼」
いつもの調子で言ったが、ジェイドも喜んでいるのだろう。
優しく微笑んでルークを見る。
「久しぶりだな、ジェイド」
「えぇ、本当ですよ。ルークの事を考えると胸が痛くて・・・」
「まったく気持ちが篭ってないぞ。嘘がバレバレだ」
「おや、バレちゃいました」
あれから何年経ったかルークには分からなかったが、ジェイドはまったく変わってはいなかった。
それがなんだか彼には嬉しいことだった。