等身大の僕ら
□春がくれば花が咲く
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「うぃ〜っす…」
「……何があったんですか琥穏さん」
「…聞いてくれますか、悠太さん」
なんとか屋上にたどり着いた二人
琥穏がビショビショのままだが…
「ねぇ、琥穏。着替えてきた方がいいと思う」
「祐希に賛成」
「つか、さっさと着替えろ」
口々に着替えろと唱える三人
「えーっ!そんなにオレに退散してほしいかよぉ」
「いいから早く行って来い」
「…要のばぁーか」
バタン
琥穏が屋上から姿を消す
しばしの沈黙
が、すぐに春に詰め寄る三人
「オイ春!!アレなんだ」
「また例の少女ですか…」
「はい…っていうか、なんで琥穏くん急かすんですか?」
春の発言に一瞬目を丸くした三人
悠太から小さな小さなため息が聞こえた気がする
「春、気付かなかったの?要も悠太も気づいたよ」
「今頃、琥穏も気づいてんじゃねぇの」
「?」
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「なんだよ、なんだよ。皆でオレをハブですか」
やんなっちゃうねぇ、全く
そう呟く琥穏が向かったのは女子トイレ
そこで着替えるつもりだ
「あーぁ、少女〜、一体何者なんだアイツー」
大きな独り言を言いながら女子トイレの洗面台に立つ琥穏
「ま、でも水被るぐらいですんだし……あ、」
洗面台の正面にある鏡を見た琥穏
少し固まる
この季節、今日は暖かかったからいいやとパーカーを羽織らなかった
ようするに下着と、シャツ一枚である
その上から水をかぶったんだ、今日。
「透けてら…」
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