向日葵のように

□行動と、動機
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「え?」


驚きのあまりそれしか発せられなかった緋漣

次の瞬間から焦りの表情へと変わる


「獅龍?え、おまえ何してんだ、よ」



恐怖に震える綱吉の前に立った獄寺


飛び出そうとした緋漣に被さった獅龍


獄寺の胸に、獅龍の背中に

数多の針が刺さっている



緋漣の目が大きく開く


オレ、コイツに庇われたんだ


獅龍がオレの代わりに



傷ついた



緋漣は獅龍を恐る恐る見上げる

苦痛に歪んだ獅龍の唇から音が漏れる


ゴメン



動揺から、千種がもう一度針を発射しようとしているのにも気付かない



気付いたのは    綱吉の叫び声で




「…っ!!」


綱吉と後ろに倒れている二人を庇うため


ライカの魔法でペンダントになっていた己の武器を構えようとした


その時


後ろからまた違う衝撃に襲われた

次に感じた感触は冷たいコンクリート

眼に映るのは、空と



山本武



「た、けし?」


「すべりこみセーフってとこだな」


「山本ぉ!」



緋漣にはなにが起こったかまだ理解できない

それほどに混乱している


分かったのは


滅多に怒らない山本が怒ったこと



自分のせいで獅龍が倒れたこと







自分は何一つ、守れなかったこと
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